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【身体の疑問!?】なんで膝や指を曲げるとパキパキなるの?

 

なんで関節の音がなるの?と最近職場で聴かれ、なるほどなぁと思い詳しく説明しようと思いました(;^ω^)

確かになんでだろう?とか怪我の予兆かな?とか疑問はありますよね?

なんで膝を曲げるとパキパキ(ポキッ)と鳴るの?

 

まずはこのパキッとかポキッとなる音はクラッキング( Cracking)といいます。

これは関節を鋭い音、高い音でならすことを言います。パキッですね('ω')

関節の部位によって、首ポキ、指ポキとかいいますよね?

ポキッ、ポキポキ、コキコキ、など様々な擬音語で表現されますので、ここではクラッキングで統一しますね。

これは日本語では「関節内轢音」とも言って、英語圏ではCrackingの他にポッピング(Popping)とも言います。

クラッキングが最も一般的に行われる部位は手の指の関節ですが、その他の多くの関節(首、背中の椎骨、手首、肘、肩、膝、顎、足首など)をクラッキングします。

よく背中を子供に踏んでもらうとポキッとして気持ちいいって話や屈伸すると膝が鳴るって聞きますよね('ω')

クラッキングの正体って何なの?

 

残念ながら物理的なメカニズムは未だ証明されていません。基本的に命に関わらない研究は後回しになるのです。しかし以下のようにいくつかの理論が提唱されています。

①関節内のキャビテーション : 関節に物理的な力が加わったとき、内部では滑液の流れの中で真空に近い部位が出来ます。そして小さな気泡が多数生じ、それらがはじけて大きな音が出ます。

この説明ではクラッキングはどの関節でも行うことが出来るといえる。例えば脊椎の徒手整復術(マニピュレーション)などです。

簡単に言うと関節を引っ張ると中が陰圧になるので滑液の中の気体が抜けるわけですね。スパークリングワインのコルクを抜くとポンッというのと一緒です。

②靱帯の急速な伸張に伴うもの

③関節内に出来た癒着の剥がれることによるもの

④関節腔内の空気が弾けたり移動したりすることによるもの(気泡緩衝材をつぶすのと同じ原理)

これが現在のところ考えられている理論で①が有力だと言われています。①と④何が違うの?と思わないですか?

④の説だといつも気体として関節腔内にあるので弾ける時に隙間がないといけないですし、移動するだけなら何度でも音が鳴りますが実際はしばらく音はなりませんよね(;^ω^)

①をメインに説明を続けていきますね(;^ω^)

関節は骨と骨が関節包に覆われており、その袋の中を関節腔という僅かな隙間があります。そこには滑液という一種の潤滑油で満たされています。

関節を曲げたり伸ばしたりすると関節腔の容積が増し、その分、陰圧が生じ結果滑液が気化し空洞(キャビティ)が発生します。

そして下がった圧力を戻す働きが作用し、反対側から滑液が一気に流入して空洞が消滅すると同時にクラッキング音が発生します。

気化したガスの成分は二酸化炭素或いは窒素であるといわれています。

一度鳴らすと同じ部位を再び鳴らすことができるまで約20分かかります。この間を不応期といいます。

コーラとかの炭酸飲料は二酸化炭素を液体に高圧力をかけて無理やり溶かしているので蓋を開ける時や飲み込んで液体が運動したときに液体の圧力が低下します。

 

クラッキングの研究もあるんです

1947年イギリスの解剖学者J・B・ロストン(J. B. Roston)とR・ホーイラー・ヘインズ(R. Wheeler Haines)は、指関節がクラッキング音が発生するまで徐々に牽引を加えていく実験を行いました。

実験開始時の関節腔の距離は1.8mm。牽引力が8kgに達するまでは靱帯の伸びは僅かなものでした。

しかし牽引力が8kgを超えたときクラッキング音が発生すると同時に関節腔の距離は4.7mmに急増した。

レントゲン写真上ではクラッキングが発生した瞬間、関節内に黒い影が発生しているのが確認できました。

この影は二酸化炭素などのガスであろうと推定されました。

参考文献

B. Roston and R. Wheeler Haines (1947)

小林昌彦 (2008年12月18日). “クラック音の正体

影響と効果について

基本的にクラッキングは健康に問題ないとされています。

しかし空洞が発生し消滅する際に強い衝撃波が生じ、これによって関節内部を冒し、損傷している可能性があるという指摘もあります。これをエロージョン(Erosion)といいます。

しかし、実際にならすと気持ちいいのでハマりますよね?

基本的に関節腔の内圧が下がるので周辺組織への圧迫が解消されて、気持ちいのではないかと考えていますが、誰も検証していないので分かりませんね(;^ω^)

しかしこんな研究もありました。

ドナルド・L・アンガーは60年以上にわたり、毎日左指の関節を鳴らす一方で、右の指関節は決して鳴らさないということをこつこつ続け、指の関節炎の原因を研究しました。

その「功績」により2009年イグ・ノーベル賞(医学賞)を受賞しました。どちらの手にも関節炎の症状はないということでした。

参考文献

Winners of the Ig(R) Nobel Prize

 "Does Knuckle Cracking Lead to Arthritis of the Fingers?", Donald L. Unger, Arthritis and Rheumatism, vol. 41, no. 5, 1998, pp. 949-50.

 ナショナルジオグラフィックニュース2009

空気が窒素か二酸化炭素か気になりませんか?

安静時と運動時では大きく異なりますが、人は、通常1日2500〜3000リットルの空気を吸っています。

空気の成分は、水蒸気を除くと窒素78%、酸素21%、アルゴン1%、炭酸ガス0.03%です。(鋼錬みたいですねw)

このうち酸素は生命活動のエネルギー生成に使われ、最終的に炭酸ガスを生じます。(二酸化炭素)

従って、吐き出す空気は、吸った時より、酸素が少し減って、炭酸ガスが少し増えています。

一方、最大成分である窒素は、我々が生活している地上の環境下(1気圧)では、体内の組織をめぐり、そのまま排出されています。(尿など)

関節腔内に存在する気体もこの窒素ではないかと考えています。

人間の体の構成要素は以下の通りです。

ヒトにおける主要元素の相対的存在量の比較「水素9.5%、炭素18.5%、窒素3.2%、酸素65.0%、ナトリウム0.2%、マグネシウム0.1%、リン1.0%、イオウ0.3%、塩素0.2%、カリウム0.4%、カルシウム1.5%、鉄0.005%、その他1.7%」

引用文献:池北雅彦,榎並勲『生物を知るための生化学』 丸善出版 ,20179,223p. 参照はp.9-13

またダイバーなどでよく起こる減圧症という病気も水圧によって窒素が体内に溶け込みすぎて、急浮上する際に水圧から解放された窒素が気泡となることで障害をもたらす病気です。

そのため関節腔内の気体も窒素だと考えますが、資料には窒素か二酸化炭素と考えられているとあります。

だれか成分分析して答えを出して欲しいですwwいらないかw

他にも音が鳴る原因ってないの?

他にも関節軟骨や靱帯のすり合わせる音が原因の時もあります。

低音でギシギシきしむような軋轢音は半月板や関節軟骨の摩耗によるものです。

また弾発股みたいに靱帯や腱の擦れる音や弾ける音もあります。これらは不快感や疼痛が一緒に発生していますので異常とすぐわかります。

ハムストや腓腹筋を徒手で引っ張ると音が鳴らず不快感や疼痛が減少する際は過緊張、短縮、癒着が原因で関節運動に伴い組織同士で擦れ合うことが原因です。

そのため疼痛が発生すれば、変形性関節症や半月板損傷、筋・腱炎などを疑う必要があります。

先ほどの例でいえば肩関節の場合は肩甲下、棘下、棘上、小円筋などの筋を操作するとクリックが消失し疼痛の緩和が図られることがあります。

整形外科徒手テストや疼痛部位と誘発運動を鑑みると異常時の答えを出すヒントになります。

異常があると思う場合は疼痛が付随していますのでその場合は早期の受診をしましょう。

今回もこの記事を読んで下さりありがとうございます(^ω^)

 

 

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