うっ血性心不全

うっ血性心不全とは

うっ血性心不全とは、心臓のはたらきが低下し、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなった状態です。心臓のポンプ機能がうまく働かなくなることで、肺や全身に血液や体液がたまりやすくなり、息苦しさやむくみなどの症状が出てきます。

特定の病名そのものというより、さまざまな心臓病や全身状態の結果として起こる病態です。進行すると日常生活に大きく影響し、急に悪化すると緊急対応が必要になることもあります。

どこでみるのか

うっ血性心不全は、外来、救急、入院、在宅療養など幅広い場面でみられます。特に、息切れ、むくみ、体重増加、疲れやすさが続くときや、夜間に息苦しくて目が覚めるようなときに疑われます。

高齢者では症状がはっきりしないこともあり、なんとなく元気がない、食欲が落ちた、動くとすぐ疲れる、足がむくむといった変化として気づかれることもあります。

何をみているのか

評価では、単に心臓だけでなく、心不全が全身にどのような影響を及ぼしているかをみます。特に次のような点が重要です。

  • 息切れや呼吸困難の有無
  • 足やまぶたなどのむくみ
  • 急な体重増加
  • 疲れやすさ、運動能力の低下
  • 夜間就寝中の呼吸困難
  • 咳や、まれにピンク色の泡状の痰
  • 動悸、食欲不振、尿量低下

心不全では、左心系・右心系のどちらに負担が強いかによって症状の出方が異なるため、呼吸症状と全身のうっ血症状の両方をあわせてみることが大切です。

臨床でどうみるか

日常診療では、息切れやむくみなどの症状、体重変化、生活のしづらさ、服薬状況などを確認しながら全体像を把握します。心不全は良くなったり悪くなったりを繰り返しやすいため、今どの程度安定しているかを継続的にみることが重要です。

急性増悪では、安静時にも息苦しい、横になると苦しい、会話が苦しい、急に体重が増えるといった変化が手がかりになります。

評価で何をみるか

検査では、症状や身体所見に加えて、血液検査や画像検査を組み合わせて評価します。代表的なものは次のとおりです。

  • 血液検査
  • BNPまたはNT-proBNPなどの心不全マーカー
  • 胸部レントゲン
  • 心電図
  • ホルター心電図
  • 心エコー検査
  • 心臓CT
  • 心臓MRI
  • 心臓カテーテル検査
  • 運動負荷検査・運動耐容能検査

特に心エコーは、心臓の動きや構造をみるうえで重要な検査です。血液検査では、心臓への負担や腎機能・肝機能など、全身状態もあわせて確認します。

臨床でよく出る問題

  • 動作時の息切れ
  • 疲れやすさ、活動量の低下
  • 足や下腿のむくみ
  • 急な体重増加
  • 夜間の呼吸困難
  • 咳や痰
  • 食欲不振や腹部膨満感
  • 再入院を繰り返しやすい

病状が進むと、少し動くだけでも苦しくなったり、安静時にも呼吸困難が出たりして、日常生活動作そのものが大きく制限されます。

起こりやすい原因

うっ血性心不全の原因はひとつではありません。代表的な原因として、次のようなものがあります。

  • 虚血性心疾患
  • 急性心筋梗塞
  • 高血圧
  • 心臓弁膜症
  • 心筋症
  • 心筋炎
  • 先天性心疾患
  • 不整脈
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 糖尿病
  • 重度の貧血
  • 甲状腺機能亢進症

また、医薬品によってうっ血性心不全が引き起こされる場合もあり、服薬中に症状が出たときは薬剤性も含めて確認が必要です。

注意したい症状

次のような症状があるときは注意が必要です。

  • 動くと息が苦しい
  • 安静にしていても息苦しい
  • 足がむくむ
  • 急に体重が増えた
  • 咳が続く
  • ピンク色の泡状の痰が出る
  • 強い疲れやすさがある
  • 夜中に息苦しくて目が覚める

これらの症状が急に強くなったときや、服薬中に出てきたときは、放置せず早めの受診が重要です。

対応の基本

治療では、まず原因となっている病気の治療を行いながら、心臓への負担を減らし、症状を改善していきます。基本となるのは生活・食事療法、薬物療法、必要に応じたデバイス治療や外科的治療です。

  • 減塩や体重管理を含む食事療法
  • 禁煙、節酒または禁酒
  • 病状に応じた活動量・運動の調整
  • 医師の指示に沿った薬物療法
  • 必要に応じた植え込み型装置による治療
  • 重症例では外科的治療や循環補助の検討

日常生活では、毎朝の体重測定がとても重要です。排尿後の体重を毎日記録し、短期間で増えるときは体液貯留のサインとして注意します。安定している時期でも、自己判断で薬を中止しないことが大切です。

ひとことで言うと

うっ血性心不全は、心臓のポンプ機能の低下によって肺や全身にうっ血が起こり、息切れ・むくみ・体重増加などが出る状態です。早めに変化に気づき、継続的に管理することが重要です。

関連用語

参考文献・出典

関連記事

「う」の用語集へ戻る

Copyright© rehabili days(リハビリデイズ) , 2026 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.