ヒラメ筋(下腿三頭筋)の概要
腓腹筋と合わせて下腿三頭筋と呼びます。
大部分を腓腹筋に覆われている扁平な筋であり、足関節底屈の主力筋である。筋線維がとても短いため筋体積のわりにPCSA(生理学的筋横断面積)が大きく力が強いのが特徴。
ヒラメ筋の筋体積はそれほど大きくないがPCSA及び筋張力は体積が人体で最大の大殿筋よりも大きい。(ただし、収縮速度と収縮範囲はとても小さい)
ヒラメ筋は単関節筋なので主に立位姿勢の保持に働いています。膝の伸展時には両方の筋が働きますが主に腓腹筋が強く働き、膝屈曲時にはヒラメ筋が主に働きます。
下腿三頭筋とは
下腿三頭筋とはふくらはぎ後面のヒラメ筋と腓腹筋の総称であり、扁平なヒラメ筋の上側表面を腓腹筋が覆いともに足関節底屈の主働筋として働く。
2つの筋とも腱がアキレス腱となって踵に停止する。筋線維が短いため体積のわりにPCSA(生理学的筋横断面積)が大きく力が強いのが特徴である。弾性のある腱組織が長く筋自体のバネ作用も顕著にみられる。
ヒラメ筋は遅筋線維の比率がとても高いため立位において上体が前傾しないように活動するなど持続的な筋活動において貢献度が高い。
一方、速筋線維が比較的多い腓腹筋はランニングや跳躍などダイナミックな激しい動きで使われる。
ふくらはぎは下腿三頭筋によって形成されている。深層のヒラメ筋は扁平な筋であるためふくらはぎの膨らみは主に表層の腓腹筋によって形作られている。アキレス腱は人体の中で最も太く最強の腱。
筋肉データ
項目 | 内容 | ||||
神経 | 神経支配:脛骨神経(S1~2) | ||||
起始 | 腓骨頭、腓骨と脛骨の間のヒラメ筋腱弓、脛骨後面のヒラメ筋線 | ||||
停止 | 踵骨隆起(停止腱はアキレス腱:踵骨腱) | ||||
作用 | 足関節の底屈 | ||||
筋体積 | 575㎤ | ||||
筋線維長 | 3.1cm | ||||
速筋:遅筋(%) | 12.3:87.7 | ||||
PCSA | 185.5㎠ |
ヒラメ筋の特徴
ヒラメ筋腱弓の下を膝窩動脈・静脈と脛骨神経が通過します。
腓腹筋は膝関節を屈曲させ足関節を底屈させます。ヒラメ筋は足関節の底屈に関わります。
膝関節屈曲位での足関節の底屈にはヒラメ筋が作用する。
膝関節伸展位での足関節の底屈には双方の筋が関わるが,特に腓腹筋による作用が強い。
足部が固定された場合(立位)では踵を挙げます。
腓腹筋は主に白筋より構成されヒラメ筋は主に赤筋により構成されています。
アキレス腱と足関節後面との間の間隙はKager'sfatpadとよばれる脂肪体が埋めており、腱の滑りの円滑化や衝撃の緩衝作用を果たすといわれています。
関連疾患
・アキレス腱断裂
・アキレス腱周囲炎
・腓腹筋肉離れ