アキレス腱とは
アキレス腱とは、下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)と踵骨(かかとの骨)をつなぐ腱です。足関節を底屈させる働きに関わり、歩行・走行・階段昇降・ジャンプ・つま先立ちなどで重要な役割を担います。人体の中でも特に太く強い腱として知られています。
どこにあるのか
アキレス腱は、ふくらはぎの中央あたりから踵骨の後方へ向かって走っています。足関節後面で触れやすく、理学療法評価でも確認しやすい解剖学的ランドマークのひとつです。
何をしているのか
アキレス腱は、下腿三頭筋が生み出した力を足部へ伝えることで、踵を持ち上げたり、地面を蹴ったりする動作を助けます。立位保持、歩行の蹴り出し、走る、跳ぶ、階段を上るといった動作で特に重要です。
臨床でよく出る問題
アキレス腱周囲では、使いすぎによるアキレス腱障害(アキレス腱炎・アキレス腱症)や、急激な負荷によるアキレス腱断裂がよく知られています。
- 朝のこわばり
- 運動時や運動後の痛み
- 腱の肥厚
- 踵の後ろの痛み
- 圧痛や腫脹
悪化しやすい要因
急な運動量の増加、ランニングやジャンプの繰り返し、合わない靴、ふくらはぎの柔軟性低下などは、アキレス腱への負担を高めます。活動量の多い人だけでなく、活動量が少ない人にも起こることがあります。
評価でみるポイント
理学療法評価では、以下のような点を確認します。
- 疼痛部位
- 圧痛の有無
- 腫脹・熱感
- 朝のこわばり
- 歩行時痛
- 片脚踵上げの可否
- 足関節可動域
- 下腿三頭筋の柔軟性
- 最近の活動量や負荷量の変化
注意したい症状
「ブチッ」という音や感覚を伴う急な痛み、強い腫れ、つま先立ちができない、受傷後に歩きづらいといった場合は、アキレス腱断裂も疑われます。こうした場合は早めの医療機関受診が重要です。
対応の基本
アキレス腱障害では、単に完全安静にするだけではなく、痛みをみながら活動量を調整し、必要に応じてアイシング、鎮痛薬、靴の見直し、装具、理学療法、段階的な運動療法などを組み合わせて対応します。改善には数週間から数か月以上かかることがあります。
ひとことで言うと
アキレス腱は、ふくらはぎの筋力を地面へ伝えるための重要な腱であり、歩行や走行、立ち上がりやジャンプなどの「蹴り出し」に深く関わる組織です。