圧迫骨折

圧迫骨折とは

圧迫骨折とは、背骨を構成する椎体がつぶれるように変形して起こる骨折のことです。特に高齢者では、骨粗しょう症によって骨が弱くなった状態で起こることが多く、転倒だけでなく、くしゃみ、咳、ひねる動作、前かがみなどの比較的軽い動作をきっかけに生じることもあります。

どこに起こるのか

圧迫骨折は、主に胸椎から腰椎にかけて起こります。とくに胸腰椎移行部や腰まわりでみられやすく、背中から腰にかけての痛みとして自覚されることが多いです。複数回起こると、身長低下や円背の進行につながることがあります。

何が起きているのか

圧迫骨折では、椎体の前方がつぶれるように短くなり、骨の高さが低くなります。骨粗しょう症が背景にある場合は、骨がもろくなっているため、強い外力がなくても骨折しやすくなります。骨折が進むと、脊柱全体の配列が変わり、前かがみ姿勢が強くなることがあります。

臨床でよく出る問題

圧迫骨折では、急に背中や腰が痛くなることもあれば、最初ははっきりした症状がなく、徐々に痛みや姿勢変化が目立ってくることもあります。痛みは体動で強くなり、安静や臥位で軽くなることがあります。

  • 背中から腰にかけての痛み
  • 起き上がりや立ち上がりで痛む
  • 体をひねると痛みが強くなる
  • 歩行で痛みが増える
  • 身長が低くなったように感じる
  • 円背や前かがみ姿勢が目立つ

起こりやすい要因

もっとも多い背景は骨粗しょう症です。そのほか、転倒や尻もち、交通事故などの外傷、がんの骨転移や多発性骨髄腫などの腫瘍性病変が原因になることもあります。高齢、骨密度低下、過去の骨折歴、活動量低下などは再発や多発のリスクにもつながります。

評価でみるポイント

理学療法評価では、痛みの部位、体動時痛の有無、姿勢変化、起き上がりや歩行の困難さなどを確認します。医療機関では、X線で椎体の圧潰を確認し、必要に応じてMRIやCTで新しい骨折かどうか、神経症状の有無、腫瘍や強い外傷の関与がないかを調べます。骨粗しょう症が疑われる場合は骨密度検査も重要です。

  • 疼痛部位
  • 起き上がり・立ち上がり時痛
  • 歩行時痛
  • 円背や身長低下の有無
  • 圧痛の有無
  • 神経症状の有無
  • 転倒や外傷の有無
  • 骨粗しょう症の既往や骨密度

注意したい症状

強い下肢痛、しびれ、筋力低下、歩行障害、排尿や排便の異常がある場合は、骨折に伴って神経が圧迫されている可能性があります。また、原因がはっきりしない激しい痛み、がんの既往、発熱、急速な悪化がある場合は、腫瘍や感染など別の病態も考える必要があります。こうした場合は早めの医療機関受診が重要です。

対応の基本

圧迫骨折の多くは手術をせず、安静、痛み止め、必要に応じた体幹装具、生活動作の工夫などで経過をみます。症状は数週間から数か月の経過で軽くなることが多いです。痛みの程度や回復段階に応じて、理学療法では起き上がりや立ち上がり動作の工夫、歩行練習、姿勢指導、再骨折予防のための運動や生活指導を行います。背景に骨粗しょう症がある場合は、その治療を並行して行うことが大切です。

ひとことで言うと

圧迫骨折とは、主に骨粗しょう症などで弱くなった背骨の骨がつぶれるように変形して起こる骨折で、背中や腰の痛み、身長低下、円背の原因になることがある病態です。

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