いかり肩(いかりがた)
鎖骨が拳上し肩甲骨位は上方回旋、内転位となる。さらに胸椎も伸展位となり上位肋骨は拳上位となっている。この姿勢は重力によって上肢や肩甲帯が下方に引き下げられる力に頚部の筋群が過剰に拮抗して生じていると考えられる。そのため、頚部の筋が発達し斜角筋隙は狭小化していることから腕神経叢が絞扼されやすい。⇒(胸郭出口症候群=TOS)
医原性サルコペニア(いげんせいさるこぺにあ)
サルコペニアとは「筋量と筋力の進行性かつ全身性の減少に特徴づけられる症候群で、身体機能障害、QOL低下、死のリスクを伴うもの」と定義されます。症候は身体機能低下、筋力低下、筋量減少の3つで、原因は原発性として加齢、二次性として不活動、低栄養、疾患の合計4つがあります。病院での不適切な安静や禁食、病院での不適切な栄養管理、医原性疾患によるサルコペニアのことを、医原性サルコペニアと呼びます。
『とりあえず安静』『とりあえず禁食』がその原因と言われています。サルコペニアのない高齢者が入院すると15%が医原性サルコペニアになると言われています。
⇒関連用語:サルコペニア
異所性骨化(いしょせいこつか)
異所性骨化とは、本来骨組織が存在しない部位、すなわち筋、筋膜、靱帯、関節包などに異常に骨形成が起こる現象であり、骨梁構造を認める点が石灰化との違いである。好発部位は骨盤、股関節、膝関節、肩関節、肘関節などである。発生病態としては打撲、脱臼、骨折などの外傷、暴力的な可動域訓練などの過用症候群、また長期間の臥床・外固定,人工呼吸器使用、脳・脊髄損傷、熱傷、透析、人工関節手術などが発症の契機となることもある。
インターセクション症候群 (いんたーせくしょんしょうこうぐん)
親指を伸ばすための短母指伸筋と親指を外に開くための長母指外転筋と、手首を反らす働きをする長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋とが、手首より少し肘側で交叉している部分に起こる腱鞘炎である。大工仕事や手作業の多いデスクワークを職業とする人や、野球やテニス、バイクの運転など、手首を返す動作の多いスポーツを好まれる方などの集中的に手を酷使する30代~50代の方に多くみられる。
インターナルインピンジメント(いんたーなるいんぴんじめんと)
肩関節が外転・最大外旋した際に、大結節と後上方関節唇と腱板関節面が衝突する病態を指す。
インナーマッスル(いんなーまっする)
インナーマッスルは身体の深いところに位置する筋肉(深層筋)の総称です。
インナーマッスルとは対照に身体の表面に位置している筋肉はアウターマッスル(表層筋)と呼ばれています。
体幹筋の他、上肢、下肢の筋肉の深層筋もインナーマッスルに含まれる。
代表的なインナーマッスル
腹横筋
多裂筋
横隔膜
骨盤底筋群
深層の筋肉の為、アウターマッスルとは違い目に見えず直接的な確認は難しいが、関節や内臓の安定に働き、動作時にもアウターマッスルとともに働いて姿勢の保持や動作のサポート、内臓の正しい働きを促すために作用している。表面の筋肉をサポートする役目を果たし、インナーマッスルとアウターマッスルの双方がバランスのとれた働きをすることで、より効果を発揮することができる。尚、インナーマッスルはアウターマッスルに比べると薄く細い筋群が多いため、やや成長しにくい。アウターマッスルの筋力トレーニングでもインナーマッスルは一緒に鍛えらる。
関連用語⇒アウターマッスル、グローバルマッスル、ローカルマッスル
異常姿勢(いじょうしせい)
基本的立位姿勢から大きく逸脱した姿勢。(座位・臥位も同様)反り腰(腰椎の過伸展)円背、亀背、側彎などが該当する。また変形のみでなく、座位姿勢での仙骨座りなど、身体的、機能的に不利を生ずる姿勢。