筋力増強(きんりょくぞうきょう)

筋力増強と筋肥大は別個のものとして考える必要がある。また筋力の定義として筋の収縮力を指す。別の概念に筋パワーがあるが、この筋パワーは関節運動(等張性収縮)の際に角運動量に影響される。簡単に言えば仕事量や仕事率であり、動く速度や量に依存する。例として握力は筋力であり、パンチ力は筋パワーと言える。筋力はその点において関節運動がない純粋な筋肉の収縮のため、等尺性収縮で表される。筋力は絶対筋力という筋断面積1㎠に6±2kgfの収縮力をもつが実際に生体での筋力発揮では心理的限界など神経系の制御が入る。筋力増強とは、この筋断面積を増やすことと、大脳の興奮水準を引き上げたり、運動単位の発火頻度を引き上げたり、運動単位の同期化を行うことでより絶対筋力の値に近づける神経系の発達を2つ指す。

⇒関連用語:筋パワー

 

ギヨン管症候群(ぎよんかんしょうこうぐん)

尺骨神経管の中を走る尺骨神経がガングリオンや脂肪の塊、外傷などにより尺骨神経管内圧が上がり、圧迫されて引き起こされる疾患群のことです。発見者の名前によりギヨン管症候群とも呼ばれます。基本的には尺骨神経の支配領域の中で、尺骨神経管の先によって支配している領域に痺れを生ずることがあります。具体的には第5指の掌側と、第4指の第5指側半分の掌側などの痺れである。肘部管症候群で起きている尺骨神経への圧迫によって起こる症状とは異なり、ギヨン管候群の場合は手背側に痺れを生ずることはない。 なお、尺骨神経管症候群では多彩な症状が現れることが知られており、中には痺れなどの感覚の障害が出ずに、筋肉の萎縮だけが見られるなどといった場合もある。神経が傷害されている場所を叩くと、その神経が支配している場所にも痛みが走ること、すなわちティネル徴候が見られるかどうか。また、もしも痺れのような感覚障害が現れている場合は、その場所が尺骨神経の支配領域と一致しているかどうか。尺骨神経麻痺が起こった時に特徴的な部位の筋肉の萎縮が見られるかどうかなどが診断のポイントとなる。

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