肺塞栓(はいそくせん)
肺塞栓症は血栓や、まれに他の固形物が血液の流れに乗って肺の動脈(肺動脈)に運ばれ、そこを塞ぐ病気です。
肺塞栓症は、一般に血栓によって発生しますが、別の物質が塞栓を形成して動脈をふさぐこともあります。
血栓は下肢深部静脈血栓症やクラッシング症候群などで生じたりします。
関連用語⇒下肢深部静脈血栓症、クラッシング症候群
廃用症候群(はいようしょうこうぐん)
廃用症候群とは過度に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な弱体化の状態を指します。ベッドで長期に安静にした場合などに起こりやすいのが特徴的です。筋力に関しては1週間の絶対安静で約10~15%程度の筋萎縮が起きると言われています。そのため早期の離床により廃用症候群を予防する必要があります。
代表的な状態変化として以下のものがあります。
筋萎縮、関節拘縮、骨萎縮、心機能低下、起立性低血圧、誤嚥性肺炎、血栓塞栓症、うつ状態、褥瘡などがあります。
高齢者が廃用症候群になると回復は非常に困難なため予防が一番重要となります。
バイタルサイン(ばいたるさいん)
生命兆候とは、人間が「生きている」 ことを示す指標のことです。
「脈拍」「血圧」「呼吸」「体温」の4つを指標を特に用いますが、心電図や酸素飽和度など生命の兆候を指し示すものは全てバイタルサインと言えます。
パーキンソン病(ぱーきんそんびょう)
中脳の黒質にあるドパミン神経細胞が減少することで発生します。黒質細胞の萎縮がなぜ生じるかは分かっていませんが、現在は、ドパミン神経細胞の中にαシヌクレインというタンパク質が凝集して蓄積し、ドパミン神経細胞が減少すると考えられています。
このαシヌクレインが増えないようにすることが、治療薬開発の大きな目標となっています。またドパミン神経が減ると体が動きにくくなり、ふるえが起こりやすくなります。
パーキンソン病のの四大症状として寡動、筋強剛、静止時振戦、姿勢反射障害があります。
関連用語⇒パーキンソン症候群、パーキンソンニズム
ばね指(ばねゆび)
弾発指(だんぱつゆび)とも言います。手指の屈曲の際に引っかかりを感じたり疼痛が出現します。指の屈曲は、屈筋腱が筋肉の収縮力を関節に伝えることによって行われています。屈筋腱は指の付け根(MP関節部)から指先まで、腱鞘というトンネルの中を滑膜組織に包まれ滑らかに動いています。腱鞘は、指を曲げた時に屈筋腱が骨から浮き上がってしまうのを防ぎ、力を有効に伝える滑車(プーリー)の役割を担っています。ばね指とは、この屈筋腱の通過障害です。
まず、滑膜が炎症を生じ腫れてしまい、屈筋腱が腱鞘の中を滑走しにくなると、指の動きが制限され、痛みも生じます。さらには、MP関節部にある腱鞘の入り口(A1プーリー)が狭くなると、屈筋腱の太い部分がそこを通過しにくく引っ掛かるため、ばね現象が起こります。この腱鞘と腱の間で炎症が起こると、指の動きのスムーズさが失われます。いわゆる指の腱鞘炎の状態です。指を伸ばそうとする時に引っ掛かっかるばね現象は、痛みを伴う場合と伴わない場合があります。悪化すると曲がったまま全く伸ばせなくなったり、伸びきったまま曲がらなくなることもあります(catching現象)。
更年期の女性に多く、妊娠出産期の女性にも多く生じます。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのも特徴です。糖尿病、リウマチ、透析患者にもよく発生します。
⇒関連用語:腱鞘炎
パラフィン(ぱらふぃん)
温熱療法のひとつで、いわゆる蝋(ろう)を温めて作った液体に患部を浸し冷えて固まった部分でグローブを形成します。
湿熱式温熱療法に該当し高い浸透率をもちます。
詳しくは⇒こちら
関連用語⇒物理療法、温熱療法
バランス能力(ばらんすのうりょく)
バランス能力とは、静止姿勢または動的動作中の姿勢を任意の状態に保つ、また不安定な姿勢から速やかに回復させる能力を意味します。スポーツ選手においては適切な姿勢を保つ能力は競技力における重要なボディコントロール能力のひとつとなりますし、高齢者においてはしっかりと「立つ」「歩く」など生活機能上の重要な一要素になります。転倒の予防という点においても重要です。姿勢の保持は、視覚情報・体性感覚情報(筋・腱・関節からの情報、足裏等の圧感覚情報など)・前庭系の情報(内耳の三半器官)などを基に脳が中枢処理を行ない、出された司令を骨格筋が実行することでなされます。これらの総合的な機能がバランス能力に関わっています。バランス能力の評価方法として、閉眼片足立ち・開眼片足立ちなどの簡便法がよく用いられます。文部科学省の新体力テストでは高齢者向け(65-79歳)のバランス能力の評価として開眼片足立ちが採用されています。
バランスは静的安定性と動的安定性があり、静的安定性は支持基底面に依存しており動的安定性は速度に依存する。また重心に位置や高さにより不安定性は変化し、静的安定性の高さは運動性の低さともなる。