閉鎖性運動連鎖(へいさせいうんどうれんさ;CKC

CKC では、リンクモデルにおける両側の末端の運動が抑止された状態と定義され、1 つのジョイントの運動が他のジョイントへ影響を及ぼす。つまり、あるジョイントの自由度は他の隣接するジョイントの動きによって決定される。

この機械工学における定義を身体運動に適用させたのが、Steindler である。彼はその著書『Kinesiology of the humanbody』の中で,隣接する関節間の運動のつながりを示すために“kinetic chain”を身体運動学に導入した。この時点でのOKC と CKC の概念の違いは、末端の関節が自由な状態と強い(considerable)外部抵抗(external resistance)に接している(meet)状態とで区別した。

Steindlerによる OKC の例は、リーチ動作が挙げられており、一方、CKC の例はショッピングカートを押すなどが挙げられている 。そして、それら OKC とCKC では,筋の参加パターンと関節の運動パターンが異なると述べている。その後、kinetic chainをリハビリテーションへ応用している研究が、1990 年代前半から多くの報告がなされており、この時点で定義は、末端の「関節」から「セグメント(体節)」へ変化している。

OKCが量的変化に優れているのに対しCKCは質的変化に優れていると言われている。この質というのは筋タイプを指すのではなく、全身の協調的な運動である体幹の固定性や、全身の運動連鎖に伴う感覚入力が大きいためより動作に汎化しやすいという意味である。またCKCは立位という意味ではなく、強い外部抵抗に接することで運動に制限がかかっている状態を指す。

 

⇒関連用語:運動連鎖、開放性運動連鎖

 

並列弾性要素(へいれつだんせいようそ)

筋の力学的特性として直列弾性要素、並列弾性要素、収縮要素、粘性がある。

直列弾性要素は筋の長軸方向に働くバネと考えられる。それに対して並列弾性要素は筋の走行に対して短軸(横軸)に働く。並列弾性要素は筋膜、すなわち織物のように配列したコラーゲン線維網が受動的張力を生み出し、その量や構造特性が骨格筋全体の伸張性に影響を及ぼすと考えられます。

主に静止状態の受動張力の説明につかわれる。

⇒関連単語:直列弾性要素、収縮要素、粘性

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