水治療法 物理療法

温冷交代浴

家でも手軽にできる! 温冷交代浴の方法(イラスト:二階堂ちはる)より引用

温冷交代浴とは

暖かい38℃~41℃までのお湯と冷たい15℃~30°の水を交代にかける。もしくは、身体を浸します。この温度幅は目的によって異なります。

温冷交代浴はヨーロッパの健康法として古くからある入浴法の一つです。水温の差がある2つの浴槽に交互に浸かる全身交代浴はサウナと水風呂などでも実践可能です。

北欧の方ではサウナ後に湖や海に泳ぐ風習もあるそうです。この交代浴は温度差で大きく効果が異なりますので温度幅にこのような大きな開きがあります。

後ほど説明しますが先に温浴の振れ幅について説明したいと思います。

温浴とは

通常のお風呂はすべて温浴だと思いますが、温熱効果による疼痛緩和、筋温上昇による筋緊張の低下、リラクゼーション効果など多くの温熱作用効果と水特有の揺らぎによる副交感神経の刺激や水圧による生理学的効果として静脈やリンパ管へのポンプ効果などがあります。

温浴の温度が体温に近い38℃程度ではこの効果としては特に副交感神経優位によるリラクゼーションが期待できます。この温度は治療用の水槽では管理できますが日常生活の指導ではぬるすぎると思います。

一般的に温浴に関しては体温よりも高い38℃以上で血管拡張効果や軟部線維の伸長効果などがありますが、体温に近く気化熱による体温低下に負けない様に表面積を大きく触れている必要があります。

また熱勾配(熱の温度差による熱の移動しやすさ)が小さいので体が温まるまで長い時間がかかりますので湯冷めしない様に長時間の入浴が必要です。ただしメリットとして急激な温度変化が起きないので心臓、肝臓、腎臓などの循環器障害などでは各臓器へのダメージは少なく安全な入浴法でもあります。ただし、汗はかきますのでしっかりと水分を取る必要があります。

41℃の温浴では比較的暖かい温度なので熱勾配が大きく短い時間の入浴で十分に体を温めることが出来ます。この温度までは一般的に副交感神経が有意でリラックス効果が期待できます。

42℃以上は交感神経が有意となり慢性疼痛の除痛などには不向きですが覚醒を促す作用もあります。

詳しくは温熱療法の記事をご覧ください。

 

冷浴とは

水温が3℃~30°の水を利用します。3℃~8℃程度の低温の水は非常に強力な血管収縮作用と二次的血管拡張作用がありますので疼痛除去や炎症の鎮静に効果があります。

私は普段交代浴で使用しているのは部分浴であれば15℃以上の水を使います。詳しくはこちらの記事で⇒冷浴

体温よりも温度が低ければ冷浴効果はありますので全身浴の場合は30°程度の水がいいと思います。温浴と部分と同様に水の特性による水圧や揺らぎによるリラクゼーション効果も期待できます。

全身浴は病院や治療院では難しいのであくまでサウナや自宅での健康法としてしか使わないかもしれませんが、冷浴自体の効果としては血管の収縮という温浴とは逆の効果が期待できます。

この温浴⇒冷浴⇒温浴ということで血管を拡張⇒収縮⇒拡張とポンプさせることができるのです。

交代浴にもどります

上記の様に温浴と冷浴の生理学的な作用の差を用いて新しい生理学的作用をもたらすのがこの温冷交代浴です。

アスリートの筋疲労や神経疲労を改善するためにも効果があります。これは血管ポンプや自律神経を整えるためのスイッチの切り替えが起こるためだと言われています。

 

 

また筋肉の硬度の違いによる筋疲労の改善効果も研究されています。

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0517233_04.pdf

このように非常に多くの効果が期待できますので今後のリハビリや健康づくりにも積極的に利用して欲しいと思います。

 

 

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