前回の記事でSMARTの法則を紹介させてもらいました。
今回はこのSMARTの進化版を紹介します。
進化版スマート【SMARTER】
『Evaluated』:評価される
SMARTにERがつきましたね。
『E』はEvaluated(上司の評価)と『R』Recognized(承認された)という意味を持ち、上司の評価や承認を得られたかを指標とする考え方です。
これは上司じゃなくても他者の評価や承認と捉えてもいいでしょう。
社会人になると年齢や経験・立場などに関係なく、課せられた仕事の結果に対して責任を負うのが宿命です。
必要なのは自分の目線ではなく、相手の目線で相手が何を望んでいるのか考えて行動することが大切です。
特にリハビリ場面においては直接に患者さんや利用者さんの生活に直結しています。
相手が何を望んでいるのかというのを知るのは一番大切な目標設定かもしれませんね。
Evaluatedな目標の具体例
上司や他者の評価という項目は非常に重要なポイントです。
これはキャリア形成という意味以外にも相手の立場にたって自分を見るという視点は仕事をする上で最も重要だと思います。
- 患者さんの視点から:在宅復帰への課題の解決⇒トイレの自立、長距離歩行可能、疼痛の消失
- 上司の視点:平均所得単位数の取得、ラダーシステムの課題のクリア⇒学会発表、実習指導
など誰かから見て価値がある目標かどうかが大切です。
『Recognized』:承認される
承認というのは日本人の感覚では難しいかもしれません。
評価は良し悪しや点数化などその人の出した結果に焦点を合わせ、その人のものさしで判断します。
逆に承認は結果ではなく過程を見て、ものさしで判断せずに丸ごと自分を認めるのが承認です。
ここでは承認なので評価とはニュアンスが違いますがプラスの印象で捉えましょう。
継続性や発展性など結果以外の部分に注目して受け入れられる部分を承認と捉えれば目標を立てやすいかもしれません。
Recognizedな目標の具体例
- 勉強会の参加によって会社の風土として研修会の参加率が高くなる
- 早期離床による体力の低下を防ぐ⇒全体の利益につながる
承認は直接的なジャッジをする評価とは違いプロセスの受け入れが大切です。
進化版スマート【SMARTTA】
『Trackable』:追跡できる、たどれる
SMARTTAは「TA」が加わったもので、『T』はTrackable(目標へ向けての取り組みの経過を把握できる)と『A』はAgreed(当事者間の合意がある)を意味しています。
Trackableであることで、現在どのレベルに到達しているのかや、次にどのようなアクションを起こすべきなのかを判断することができます。
また、それぞれのチームメンバーが自分の考えだけで目標を設定しても全体としての目標の実現は難しいでしょう。
Agreedを意識することで、誰もが納得して取り組める目標を立てることができます。
自分の目標が、どの程度ゴールまでに近づいているかの進捗状況は数値化の部分と同様に理解できると思います。
『Agreed』:合意がある
個人目標であれ、チーム目標であれ、合意形成は非常に重要です。
例えば、何らかのプロジェクトを推進する際には一人では出来ない事が沢山ありますよね。
そういったときに周囲の協力や理解がなければ話は進みません。
そこでこの合意が大切になります。
自分の目指す目標がチーム全体で取り組めることなのか、メンバーの誰もがその目標について納得しコミットしているものかどうかが指標に加わっています。
最後に
SMARTの続編の記事になりました。
この記事ではSMARTに頭文字が増えていましたが、昔の記事でPDCAサイクルもSが増えてSPDCAサイクルになっていました。
何年かたつと誰かが追加して時代に合わせた考え方を作っていくんですね。
それでは次回も思考整理法の記事を書いていきますので読んで下さい。