FASTの法則って何?
近年、SMARTの法則に取って代わる新たなロジカルシンキングのフレームワークとして、Donald Sull(ドナルド・サル)とCharles Sull(チャーリー・サル)によってFASTの法則が提唱されました。
FASTの法則のF・ A・ S・ Tはそれぞれ
Frequent:目標が頻繁に議論される
Ambitious:(不可能でない範囲で)野心的な目標であるか
Specific:目標が具体的であるか
Transparent:目標が組織の全員から見えるような透明性を保つ
を指します。
MITスローンマネジメントレビューで、FASTの法則を次のように定義していました。
私たちは、目標設定をより効果的なものにする4つのコア原則を発見しました。
そして、その4つの原則からFASTという頭字語をつくりました。
…ゴールは頻繁(Frequent)に議論され、不可能ではない範囲で野心的(Ambitious)であり、具体的(Specific)な指標とマイルストーンで計測できて、組織の全員から見えるよう透明性(Transparent)が保たれるべきです。
SMARTとFASTの根本的な違いは?
大きな違いは、実現可能性の視点です。
SMARTの法則のAchievable(目標が達成可能であるか)とは対照的に、
FAST法則のAはAmbitious(野心的な目標であるか、ただし不可能ではない範囲で)となっています。
彼らによると「現実味を重視した安全策をとることは、ときに逆効果になる。野心的な目標を追いかけている従業員は、
それほど難しくない目標を掲げている同僚たちに比べて、はるかに優れたパフォーマンスを発揮する」とのこと。
確かにバスケの試合や剣道・柔道の試合でもポイントで優勢になっている側がポイント差を守ろうとすると逆転されてしまうこともありますよね。
むしろ更に攻撃的に点差をつけるようにした方が点数差を守れることも多いです。
そういった野心的な目標を夢物語で終わらせないための要素が、FrequentとTransparentになってくるわけです。
「Frequent:目標が頻繁に議論される」というのは、なにも組織的な目標に限った話ではありません。
個人の目標であれば、自己を省みて目標に近づいているのか?目標の方向性に向いているのか?
そうやって頻繁に目標に立ち返ることで、目標達成までのひとつひとつの意思決定に反映できるようになり、徒労を防ぐことができるようになります。
「Transparent:目標が組織の全員から見えるような透明性を保つ」に関しては、客観的な視点を欠かさないということがポイントです。
組織的な目標であれば、同僚や仲間の賛同を得られることです。
個人の目標であれば、家族や友人からの賛同でも良いですし、自身で客観的な視点を持つことを意識するでも良いでしょう。
透明性のある目標は私であれば有言実行だと思います。
SMARTとFASTの共通点は?
SMARTを更に現代的に進化させたFASTと共通点はSpecific:(具体的)です。
どんな目標であれ、具体的でなければ想いを行動に移したり、現行の行動を変容させることは出来ません。
具体性の大切なことは行動的になるだけでなく、進捗状況も分かり目標に自分が近づいているのか遠いのかの距離感も分かります。
SMARTとFASTの最大の違いは?
SMARTの目標が現実的であるのに対してFASTは野心的です。
この野心的はあくまで実現可能な範囲での野心的です。
例えば年収1000万などなら理学療法士でも実現可能な範囲で十分に野心的だと言えるかもしれません。
まとめ
今回は目標設定のフレームワークである
SMARTの法則とFASTの法則について紹介してきました。
■SMARTの法則
Specific:具体的、分かりやすい
Measurable:計測可能、数字になっている
Achievable:同意して、達成可能な
Relevant:関連性
Time-bound:期限が明確
■FASTの法則
Frequent:目標が頻繁に議論される
Ambitious:(不可能でない範囲で)野心的な目標であるか
Specific:目標が具体的であるか
Transparent:目標が組織の全員から見えるような透明性を保つ
透明性を保つ(明確化)する方法としては数値化することや具体性をもつことで可視化すればよいでしょう。
最後に
今回はSMARTに変わる目標設定のフレームワークでFASTの方法を紹介しました。
FASTの方法は野心的で頻繁に議論し透明であるという非常にアグレッシブでタフネスな目標設定です。
印象的にはアップルのスティーブ・ジョブスのような印象ですね。
今後も、面白いフレームワークを紹介したいと思いますので是非読んでみて下さい。