示指伸筋の概要
示指を伸展させる筋であり、示指のみを伸展させる唯一の筋である。腱は伸筋支帯の第4管を通過し示指の先端で停止する。
示指伸筋は長母指伸筋、長母指外転筋らとともに前腕伸筋群の深層筋にあたります。尺骨に起始をもつ前腕伸筋群のなかでは,最も遠位に起始します。
手関節より遠位では、総指伸筋腱の尺側を走行します。
示指伸筋腱は総指伸筋とともに第4区画を通過します。
示指伸筋の特徴
筋は示指のMP関節、PIP関節、DIP関節を伸展させます。また手関節には補助的に背屈に作用します。
筋肉データ
項目 | 内容 | ||||
神経 | 神経支配:橈骨神経の深枝の後骨関神経(C6~8) | ||||
起始 | 尺骨の遠位背側面、前腕骨間膜の背側面 | ||||
停止 | 示指の指背腱膜 | ||||
作用 | 示指の伸展、手関節の背屈 | ||||
栄養血管 | 後骨間動脈 |
臨床での観点
長母指伸筋腱断裂に対する外科的治療では.通常は端々縫合が行われます。しかし、縫合する腱の状態が悪いときには示指伸筋腱を利用した腱移行術が比較的多く行われています。
関連する疾患
・示指伸筋腱断裂
・長母指伸筋腱断裂
・橈骨神経麻痺後骨間神経麻痺