短母指伸筋
extensor pollicis brevis muscle
(イクステンサー・ポリシィス・ブレヴィス・マッスル)

短母指伸筋の概要

長母指伸筋の働きを補助し母指の伸展・外転に働き、手関節の伸展作用も持つ。長母指外転筋とともに腱を過使用(オーバーユース)すると腱鞘炎を起こしやすくなる。

短母指伸筋は前腕伸筋群の深層筋の一つです。手関節の近位レベルにおける短母指伸筋は長橈側手根伸筋腱、短橈側手根伸筋腱を押さえ込むように巻き込みながら総指伸筋の深層へと進入します。

短母指伸筋腱は長母指外転筋腱とともに第1区画を通過します。また短母指伸筋腱はタバコ窩(snuffbox)の橈側を構成する腱でもあります。

タバコ窩内を橈骨動脈と橈骨神経由来の背側指神経が通過します。

短母指伸筋腱は母指手根中手関節(CM関節)の橈側を通過します。

短母指伸筋は第1区画を通過します。

タバコ窩=解剖学的嗅ぎ煙草入れとも言います

嗅ぎタバコは一般的なタバコと異なり煙の出ないタバコらしいです。鼻腔内に吸ったり塗ったりすることでニコチンを摂取するらしくここに昔はタバコを置いて吸っていたみたいです。

短母指伸筋の特徴

短母指伸筋は母指のMP関節の伸展に主に関わり手関節には補助的に背屈に作用します。

短母指伸筋は手掌をテーブルに接したまま母指を橈側に広げる動作に関与します。

これはCM関節における橈側外転運動であり,短母指伸筋腱がCM関節の橈側を通過することより生じる運動です。

筋肉データ

項目 内容
神経 神経支配:橈骨神経深枝の後骨間神経(C7~8)
起始 橈骨体中部の後面、前腕骨間膜の背側面
停止 母指の基節骨底の背側
作用 母指のMP伸展、CMの橈側外転(撓屈)
栄養血管 後骨間動脈

臨床での観点

橈骨神経麻痺症例の筋肉の回復には順番があり通常は長母指伸筋よりも短母指伸筋の復が早いです。これは橈骨神経が分布する順番が短母指伸筋のほうが早いために起こる現象です。

ドケルヴァン病では長母指外転筋とともに疼痛の原因となる筋です。腱鞘の部分だけでなく筋腹にも圧痛を有する症例が多いです。

短母指伸筋は前腕遠位で長・短橈側手根伸筋腱と交差します。この部分での障害をインターセクション・シンドロームと呼びます。

関連疾患

・短母指伸筋腱断裂

・橈骨神経麻痺後骨間神経麻痺

・deQuervain病

・intrsection syndrome

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