短小指屈筋の概要
手掌の小指側浅層にあり、小指を屈曲する小さな筋である。小指に停止するほかの筋群と共に小指の動きに働く。並んで走行している小指外転筋、小指対立筋と共に小指球の膨らみを形成している。
短小指屈筋は、小指球を構成する浅層の筋で、小指外転筋の橈側に位置しています。
短小指屈筋は。約3%の確率で欠損する場合もあります。
短小指屈筋の特徴
短小指屈筋は,小指MP関節の屈曲に作用します
筋肉データ
項目 | 内容 | ||||
神経 | 神経支配:尺骨神経の深枝(C8~T1) | ||||
起始 | 有鈎骨鈎、屈筋支帯 | ||||
停止 | 小指の基節骨底の掌側面 | ||||
作用 | 小指の外転、MP屈曲 | ||||
栄養血管 | 浅掌動脈弓 |
臨床での観点
有鉤骨鉤骨折の場合には、短小指屈筋の収縮に伴う疼痛の誘発は早期診断のための重要な所見の一つです。
短小指屈筋の固有の筋力をみるには、手関節を完全に掌屈し、浅指屈筋ならびに深指屈筋の働きを排除した肢位でみる必要があります。
関連疾患
・肘部管症候群(尺骨神経高位麻痺)
・Guyon管症候群(尺骨神経低位麻痺)
・有鉤骨鉤骨折