多裂筋の概要
脊柱起立筋群の深層にある長い筋であり、細かい筋が連なり回旋筋を覆っている。脊柱を動かす作用をもつが、棘突起の根元に筋が付着するため椎骨同士を引き付けて安定させるのが主な役割。
多裂筋は椎骨の根元に付着しているため体幹の動きに対する貢献(モビリティ)は比較的小さい。頸椎から骨盤まで伸びる多裂筋は部位ごとに上から頸多裂筋、胸多裂筋、腰多裂筋と呼ばれそれぞれ働きが作用する場所も異なる。
頸多裂筋は、長背筋のうち、斜胸の深層に位置する筋肉である。全腰椎の乳頭突起及び副突起、第7~4頸椎の下関節突起を起始とし、斜側上方に向かって走り、軸椎以下のすべての椎骨の棘突起に付着する。
胸多裂筋は、全腰椎の乳頭突起及び副突起、第7〜5頸椎の下関節突起を起始とし、斜側上方に向かって走り、軸椎以下のすべての椎骨の棘突起に付着する。
腰多裂筋は、仙骨背面、全腰椎の乳頭突起及び副突起、第7~6頸椎の下関節突起を起始とし、斜側上方に向かって走り、軸椎以下のすべての椎骨の棘突起に付着する。
筋肉データ
項目 | 内容 | ||||
神経 | 神経支配:脊髄神経の後枝(C3~4) | ||||
起始 | 最長筋の浅部の腱、後仙骨孔と上後腸骨棘との間の仙骨後面、腰椎の乳頭突起、全胸椎の横突起、第4~7頸椎の関節突起 | ||||
停止 | 各起始部から2~4つ上に位置する椎骨の棘突起 | ||||
作用 | 椎間関節の安定、脊柱の伸展・回旋(反対側)側屈(同側) | ||||
筋体積 | 71㎤ | ||||
筋線維長 | 6.7cm | ||||
速筋:遅筋(%) | ーーーーーーー | ||||
PCSA | 10.6㎠ |