回外筋
supinator muscle
(スピネイター・マッスル)

回外筋の概要

前腕後面の外側に位置する筋であり、橈骨頭を回り込むように覆っています。

前腕回外の主力筋であり円回内筋、方形回内筋の拮抗筋として逆の働きをします。

前腕の背側筋群の深層に位置し橈骨を取り巻くように停止します。橈骨神経深枝は浅枝と分かれたあとFrohse(フローゼ;フロース)のアーケードより回外筋内に入り貫通します。その後は各指の伸筋を支配します。

 

 

後骨間神経はFrohse(フロセ)のアーケードという回外筋入口部の狭いトンネル部に入るのでその部は移動性がなく障害を受けやすいのが特徴です。

回外筋の特徴

肘関節の伸展と共に前腕を回外します。橈骨輪状靱帯に付着する回外筋は回外運動時に橈骨輪状靱帯の緊張を高め、外側の支持性を高めます。

また回内筋群と拮抗することにより前腕の緊張を高め橈尺関節の安定性を高めます。

 

筋肉データ

項目 内容
神経 神経支配:橈骨神経(C5~6)
起始 ①上腕骨外側上顆②尺骨の回外筋稜、外側側副靱帯、橈骨輪状靱帯
停止 橈骨の近位外側面(橈骨粗面と回内筋結節の間)
作用 前腕回外
筋体積 3.4㎤
筋線維長 6.0cm
速筋:遅筋(%) ーーーーー
PCSA 5.7㎠
栄養血管 橈骨反回動脈

回外運動には回外筋以外に上腕二頭筋が関与します。回外筋固有の筋力を評価するときは肘関節を最大屈曲させ上腕二頭筋の起始停止を近づけることで働きを排除し回外筋単独の筋力を把握することが出来ます。

回外筋を貫通する橈骨神経深枝は、しばしばこの部分で絞扼され後骨間神経麻痺が生じます。これを一般的に回外筋症候群といいます。

関連疾患

・回外筋症候群(後骨間神経麻痺)

・前腕回外拘縮

・上腕骨外側上顆炎

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