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浮腫のシリーズ第3弾【心不全と浮腫について知ろう】

心不全と浮腫について

まず、心不全とはなんでしょうか?

「心不全」とは「なんらかの心臓機能障害,すなわち心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果,呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義されます

つまり心臓の機能が障害された状態で、形や構造に問題があるのか、神経などの問題で収縮や拡張がうまくいかず血液の循環が悪化し、その結果浮腫やその他諸々の症状がでる疾患を指します。

次に心不全が起きたらどうなるのでしょうか?

心不全により血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)、心臓の機能をさらに弱めたり心臓を硬化させたりする他の変化などを引き起こします。

多くの場合、最初は無症状で、数日または数カ月の間に徐々に息切れや疲労がみられるようになります。

肺、腹部、または脚に体液が貯留することがあります。(全身性浮腫)心不全は全身性浮腫が特徴です。

治療では、心不全の原因疾患を治療するとともに、生活習慣を改善し手術を含む処置や薬の使用によって心不全自体を治療することに重点が置かれます。

理学療法では主に運動療法や生活習慣の指導がメインになります。勿論ですが手術、薬物、栄養、など他の治療との併用が必要です。

心不全は年齢を問わず発生し、幼い小児(特に生まれつき心臓に異常がある場合)にも起こりますが、高齢者は背景因子として心筋を損傷する冠動脈疾患や心臓弁膜症をもっている可能性が高く、他の年齢層よりはるかに多くの人でみられます。また、加齢に伴う心臓の変化により、心臓の機能が低下する傾向もあります。これは主に心筋の機能低下が原因となります。

米国では、心不全は約650万人にみられ、毎年約96万人で新たに発生しています。世界全体では約2600万人にみられます。

余命が長くなり、一部の国では肥満、糖尿病、喫煙、高血圧など、心臓病の危険因子をもつ人が多くなっていることから、心不全の患者は増加する傾向にあります。

背景因子をみれば肥満や高血圧、糖尿病など心不全を予防するにはこれらの生活習慣の改善が必要なので予防理学療法などの活躍も期待されると思います。

心臓の機能とは?

心臓の機能は単純にいうとポンプのように血液を送り出すことです。それではポンプにより血液をどう運んでいるのでしょうか?

心臓の右側部分は静脈から戻ってきた血液を肺に送り出す(右心機能)→これが損なわれると右心不全

・心臓の左側部分は、肺から戻ってきた血液を取り込み、動脈を介して体内の他の部分に送り出す(左心機能)→これが損なわれると左心不全

血液は心筋が収縮したとき(収縮期)に心臓から出ていき、心筋が弛緩したとき(拡張期)に心臓に流れ込みます。

心不全により、静脈から心臓つまりは、全身から心臓への流れが阻害されることで血液が組織にたまり、うっ血が起きる場合もあります。そのため、このような心不全はうっ血性心不全と呼ばれています。

右心不全の主な症状は、足、足首、脚、腰部、肝臓、腹部に体液がたまって生じる浮腫です。

体液がたまる場所は、余分な体液の量と重力のかかり方によって異なります。立っている場合は、脚や足に体液がたまりますし、背臥位で寝ている場合は腰の辺りに体液がたまります。

体液の量が多ければ、腹部にもたまります。肝臓や胃に体液がたまると、吐き気や腹部膨満、食欲不振などが生じます。(肝硬変などは腹水が著明に溜まります)

重度の右心不全では、体重が減り、筋肉が衰えることがあります。この状態を心臓悪液質といいます。

ではなぜ右心不全によって浮腫が生じるのでしょうか?

血管内圧の上昇によって浮腫は起こる?

血管内圧が上昇するとどうして浮腫が起きるのでしょうか?

心臓が悪い人は、顔や手足に浮腫が出ることがあります。

心臓の収縮力が弱いと、「心臓→動脈→毛細血管→静脈→心臓」という血液の流れがスムーズにいきません。静脈の血液が心臓に返る際に渋滞が生じて静脈血管がパンパンに膨れます。

すると、全身の静脈で血液がうっ滞し、それによって静脈の「血管内圧」が高まります。その結果、間質から血管へ水分を移動させる力が弱まって間質に水分が貯留し、浮腫が起こるのです。うっ血性心不全で起こる浮腫が、これに当たります。

血液やリンパと間質の間では、たえず水の移動が行われており、水の移動に関係する主な力は血管内圧、血漿膠質浸透圧(けっしょうこうしつしんとうあつ)です。

血管内圧は血管内の水分を間質に移動させる力として働き、動脈側では静脈側よりも大きな値を示します。血漿膠質浸透圧は間質の水分を血管内に移動させる力として働き、血管の部位によらず一定です。

この図では左側の方が色々な血漿成分や血球成分などで水溶液(血液)の濃度が高いので周辺の水分を集めて濃度を一定にする働きである浸透圧が働きます。

ナトリウムはタンパク質と比較して分子が小さいので細胞間の移動が多く体内のナトリウム濃度が高いと水分で薄めるため体内の水分貯留が増加し、浮腫の原因となります。

濃度が血管内で高ければ血管浮腫が生じ低アルブミン血症などでは逆に膠質浸透圧が低くなり間質に水分が流れ血管外浮腫となります。

間質(かんしつ)とは上皮細胞の支持組織を構成する細胞の総称のことです。臓器などの実質的な役割を果たす細胞を実質細胞といい、その実質細胞を支持している結合組織の細胞を間質細胞と呼びます。

間質細胞には線維芽細胞や免疫細胞(リンパ球や好中球,マクロファージなど)、血管内皮細胞、平滑筋細胞などが含まれます。

これらの細胞は正常組織の維持に必須であるとともに炎症反応や創傷治癒反応に重要な役割を担っています。

間質の水分のことを間質液または組織液といい、浮腫とは間質液が増加した状態です。ちなみに支持組織である間質細胞ですが保水もその大きな役割の一つです。昔は細胞を極薄のスライドで見ていたのですが、それだと水分が流れてしまい間質細胞がそのままの姿で確認することが出来なかったらしいのですが、最近はレーザー内視鏡技術でありのままの間質細胞を確認できるようになりました。

まとめ

・上記の理由から心臓のポンプ作用が低ければ全身の血液が循環しない。特に右心不全は体に血液がたまる

・排泄されないので代謝産物(老廃物)などが溜まり、血漿成分濃度が高まるので浸透圧の影響で更に浮腫が悪化する。

・心ポンプ作用を改善することと、血液中の浸透圧の調整が治療には必要。

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