現在の日本は先進国で一番最初に少子高齢化社会に突入していきます。
そうなると社会はどうなっていくのでしょうか?
労働人口が減少していくので国の税収は減っていきます。ただし平均寿命は延びているので社会保障費は増加します。
社会保障費は、介護保険、障害福祉、医療保険、雇用保険、年金、ひとり親支援など多岐にわたり恐らくもっと沢山の社会保障があると思います。
令和生まれの子供の平均寿命は試算によると107歳まで延びると言われています。
アメリカのカリフォルニア大学とドイツのマックス・プランク研究所が調査した結果では、日本で平成19年(2007年)に生まれた子どもの寿命中位数※1は107歳と推測しています。
ただし日本の厚生労働省の計算ではもう少し低めの年齢です。
それでも、平均寿命の延長は必至なので、こうなると税金はおそらくドンドン上がると思います。
そうなると我々、理学療法士たちはどうなっていくのでしょうか?
この図を見てもらえると分かりますが、高齢化社会と言っても人口全体が減少してきます。一方で、高齢者人口は今後、いわゆる「団塊の世代」(昭和22~24)が65歳以上となる平成27(2015)年には3,000万人を超え、「団塊の世代」が75歳以上となる37(2025)年には3,500万人に達すると見込まれています。
その後も高齢者人口は増加を続け、2042年に3,863万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されています。
そうなると、理学療法士の仕事も段々減っていきます。
今後も大量の理学療法士が輩出されていきますが、高齢者も若者も減少していくので仕事は減少していくと思います。
最近では理学療法士の介護化が進んでいるということで、それに対しても賛否両論があるそうですが個人的には理学療法士の仕事は理学療法だと思っています。
ですが、そうも言っていられないですね。
このままいけば、理学療法士の需要は減少し供給過多になる未来が見えているので恐らくどこかでふるいにかかる時が来るのだと思います。
患者さんや利用者さんの視点ではどうでしょうか?
医療費や介護費用は増加していくことが分かっています。
そのためにはどうしていくことが求められているのでしょうか?
理学療法士は?
やはり数が増えれば淘汰されるのは自然の摂理なので誰にも負けない武器が必要なんだと思います。
なんらかの資格や技術などで他の理学療法士との差をつけることが必要だと思います。
登録理学療法士、認定理学療法士、専門理学療法士などの資格以外にも心臓リハビリテーション指導士や糖尿病療養指導士など多くの資格がありますのでそういった目に見えるものは就職の観点では有利かもしれません。
臨床家としてはどうか?
技術的なものも必要でしょうが、評価技術や、考察、臨床推論に加えて他の職種との連携が可能であるということが必要だと思います。
患者さんや利用者に対しては?
まずは健康寿命の延長だと思います。
それに対しての方法はフレイルやサルコペニア対策とオーラルフレイルの対策などになると思います。
つまりは介護予防への大きな転換期が来ると思います。
具体策は地域での体操教室や栄養指導、デイサービスなどの居宅サービスの増加だと考えます。
総合支援事業などは更に増加すると思います。
最後に
理学療法士のこの先は、社会保障費の減収に伴い入院・入所・通所等の基本料金の減少と加算の減少や算定要件のハードルの向上など、厳しい現実になると考えられます。
これを保証するには増税以外はないので、どのみち理学療法士の仕事が今後どうなっていくかというと非常にブルーな未来に思えます。
差別化を図ることと地域格差で働く場所を選ぶことで生き残れるかもしれませんが・・・・
ひとつは理学療法自体が一定の価値のある医療行為もしくは保険行為であるということを認められれば生き残れるかもしれません。
また、平均寿命が延びることは悪い事ではありませんが今後は現状よりも更に自立支援を進めていく必要があります。
どこに目を付けてどこに進んでいくかが今後の理学療法士の生き残りに非常に重要だといえます。