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インターセクション症候群とは【手首の近くが痛いときはこれが原因かも】

 

インターセクション症候群(腱交差症候群)とは?

インターセクションシンドロームとは、手首の背側の伸筋の第1背側コンパートメント(長母指外転筋:APLと短母指伸筋:EPB)第2背側コンパートメント(伸筋橈側手根伸筋:ECRBと伸筋橈側手根伸筋:ECRL)が交差する接合部での反復的な摩擦の結果、腱鞘炎を起こすと考えられています。屈伸の繰り返しにより、第1背側コンパートメント(長母指外転筋、短母指伸筋)と第2背側コンパートメント(短母指伸筋、長母指伸筋)の腱の交差部に摩擦損傷が生じ、炎症反応が起こり、その後、腱鞘炎となります。典型的な症状は、患者が手首の背側の痛みや圧痛を訴えるものです。

 

大工仕事や手作業の多いデスクワークを職業とする人や、野球やテニス、バイクの運転など、手首を返す動作の多いスポーツを好まれる方などの集中的に手を酷使する30代~50代の方に多くみられます。

また親指を酷使するとなりやすいのでスマホやガラケーの使い過ぎでもなりやすいです。この症状は典型的には、反復的な手関節や手指の屈伸運動や結果として発症しますので、ローイング(ボートを漕ぐ動作)やカヌー、スキー、ラケットスポーツ、乗馬などのスポーツ活動でよく見られます。男性と女性では、損傷パターンに大きな違いはありません。疫学の調査ですと上記のような原因が紹介されているのですが、個人的には一番よくいるのはバイクや自転車の立ちこぎが多いですね。

典型的な症状としては、橈骨頭のすぐ近くと背側に痛みがあり、解剖学的にはリスター結節の4cm~6cm近位部にも痛みがあります。

 

手首を反らす動きや、親指でキーボードを打つ時などの痛み、また痛みの部分を触れて動かすと轢音(ギシギシとこすれる感じ)がある場合もあります。

インターセクション症候群は腱鞘炎ですので、基本的には手指を使い続けると症状が強くなり痛みも増してきます。よって、手の使い方や使う頻度のコントロールが大切です。

同じような個所の腱鞘炎としては、見かけることの多いドケルバン病がありますが、インターセクション症候群は、ドケルバン病よりも手首より離れた位置のやや背側に発症します。

痛みが強い場合はシーネ固定という親指と手首の動きを制限するような装具にて固定し、患部を安静に保ち炎症を抑えていきます。

痛みが強い時には、炎症部位への注射(エコーガイド下ハイドロリリースやステロイド注射)や患部のアイシングなどを行うこともあります。

インターセクションシンドローム

インターセクションシンドロームは、1841年にフランスの解剖学者であり外科医であるアルフレッド(Alfred-Armand-Louis-Marie Velpeau)によって初めて文献に記載されました。

彼はまた、白血病について初めて正確に記述した人物としても知られています。インターセクションシンドロームという言葉は、1978年にメイヨー・クリニックのジェームス(James H. Dobyns)によって初めて作られました。

評価
インターセクションシンドロームは、臨床診断ですが、筋骨格の超音波検査で容易に確認できます。診断の初期段階では、肘、手首、および手のチェックが大切です。MRIも有効ですが時間とコストの面で使われることはほぼありません。触診や轢音の聴診、疼痛部位や疼痛誘発テストなどで鑑別できます。

またエコー診断は、筋骨格系の診断においては非常に有効です。超音波でインターセクションシンドローム(腱交叉部症候群)を観察する場合、理想的な画像は短軸の横断面です。

診断に関連する所見は、2つの背側コンパートメントの間に低エコー領域があり、それらは互いに重なっています。これは、摩擦によって生じた腫れや水腫を表しています。また、腱の肥厚が見られることもあります。

治療およびリハビリテーション

①通常は安静と動作の修正を指導します。使い過ぎによる腱鞘炎ですので安静と手関節の掌背屈の運動を控えるように指導します。

②腱炎・腱鞘炎ですのでアイシングは有効です。疼痛の初期はRICE療法を実施します。

③疼痛が収まらない場合はテーピングやシーネ固定を行います。

④上記の方法で疼痛が緩和しない場合はステロイド注射となります

 

 

 

 

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