内部疾患 身体の疑問

マラソン中やランニング後の血尿や血便出ることありませんか?

まずは血尿や血便ってどうして出るのでしょう?

血尿の原因

血尿の原因としては悪性腫瘍や結石、膀胱炎などの炎症、腎臓の内科的な病気など様々なものがあります。

顕微鏡的血尿を起こす主な病気は、腎臓で血液から尿をろ過する糸球体という器官になんからの原因があることがあります。

この場合、尿に蛋白が混じっているかが重要なサインになります。

そのなかには、膀胱癌、腎癌、前立腺癌、尿管癌、腎盂癌などがありますが、膀胱癌は顕微鏡的血尿で診断される悪性腫瘍の中で最も多いがんです。

尿路結石症では、ほとんどの症例で顕微鏡的血尿をともなっています。

膀胱炎でも、膿尿と血尿を伴う場合があります。まれではありますが、腎臓の血管の奇形でも血尿をきたすことがあります。

このように血尿は腎臓から膀胱、尿道までの経路のどこかに支障があり血液が混ざっているために起こります。

創傷がなくても炎症により血漿透過性が高く成れば血尿が出てしまいます。

血便の原因

血便は消化器や直腸、肛門などの出血が混じることで起こりますが、出血する原因として痔、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、大腸ポリープ、大腸がんなどが挙げられます。

血尿と同様にやはり便の通り道での支障により出血して血便となっていますね。

血便の種類によって考えられる原因

ランニング後の血尿や血便はどうして?

実はランニングや、マラソン以外にもハードな運動後には出血がある場合があります。

その原因とは何でしょうか?

血尿の場合は『運動性血尿』というものがあります。

ハードな運動により筋肉中のミオグロビンが多量に血液中に溶け出てしまい腎臓のろ過能力のキャパシティを越えてしまうことで起こる血尿や、ランニング動作などで足裏で赤血球を破壊してしまうために起こると考えられています。

運動後の血尿(運動性血尿:sport hema-turia)

 運動後に血尿が出現することは以前より知られている。運動の種類としては、ボクシングのように体の接触があるものから,水泳やボートのように体の接触のないものまでさまざまである。実際の頻度であるが,90名に5kmのランニング負荷を行ったあとで32名(36%)に顕微鏡的血尿を認めたとの報告もあり、顕微鏡的血尿のレベルまで含めると、かなりの数にのぼると思われる。血尿の原因としては次のものがある。

非外傷性の腎からの出血

 安静仰臥位では腎血漿流量は約700mリットル/分であるが、運動中には骨格筋、心、肺への血液供給が増え,約200mリットル/分に減少する。そして、この減少の程度は運動の程度に比例する。実際、長時間の激しい運動を行うとクレアチニン・クリアランスが減少し、尿量も減少する。このような血流変化はネフロンに低酸素状態をもたらし、糸球体の透過性を変化させ、蛋白や赤血球を透過させるようになると考えられている。また輸出細動脈で血管収縮が生じ、糸球体濾過圧が亢進し赤血球が透過するようになるという説もある。

臨床泌尿器科 59巻4号 (2005年4月) 奴田原 紀久雄 より引用

昔の教科書などでは行軍症候群などとも呼ばれています。

血便の場合は『虚血再灌流障害』というものがあります。

簡単に説明すると全身の血液量は一定で内臓にも筋肉にも至る所に血液が流れています。

しかし運動するにつれ筋肉への血液流量が増加していきます。その際には運動には不要な内臓への血液流量を減らすことで筋肉への血流を担保しています。

すると長時間の運動により内臓は少量の血液(酸素)で活動できるように代謝を低下させ機能を弱めています。

そこにハードで且つ長時間の運動が急激に中止されると筋肉へ流れていた多量の血液は再び臓器に戻ってきます。

しかし、臓器の多くは低酸素状態の省エネモードですので、大量に血液が戻ってきたときに消費しきれない大量の酸素が活性酸素となります。(活性酸素毒)

また多量のカルシウムイオンが虚血状態により透過性が亢進していた臓器の細胞壁に進入し破壊してしまいます。

これらの原因によりマラソンなどの運動後に血便が出る場合があります。

 

対処方法を知って自分の身体を守りましょう

①血尿の場合はオーバートレーニングを防ぐことを心がけましょう。また、マラソン時の足裏の緩衝作用の高いシューズなどを履くことで血尿を防ぎましょう。

実は剣道でのこの現象が多いと言われています。裸足で強く踏み込むためですが、練習メニューが偏っていないかを確認して練習に励みましょう。

②血便の場合ですが、虚血再灌流を防ぐために日頃の運動はコンスタントに行いましょう。そして大切なのはクールダウンです。

いきなり運動を中止しては大変危険ですので少しずつジョギングや軽散歩をして心拍数を少しずつ落としていき、ストレッチなどで全身に筋肉をしっかり伸ばしてあげることで、筋肉から臓器に送られる血液流量のスピードをゆっくりにしましょう。

 

最後に

ここまで読んで下さりありがとうございます。

また書くので今後も読んでくれると嬉しいです。

 

 

 

 

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