渦流浴とは
渦流浴の特徴はその名の示すとおり水流にあります。浴槽は一般には上肢・下肢に用いられるが、全身に使用することも可能です。水流はノズルから吹き出し圧の調整が可能である。全身に受ける水圧の密度は濃く、秒速2.5mの水流は100m40秒で泳ぐ(世界記録に匹敵)水流に等しいです。
この水流(水圧)を局所にあてることによって皮膚から刺激を与える.水圧によるマッサージ効果、清浄作用、血流促進が得られます。
腹部にあてると体表面が刺激され皮下脂肪に旗がひらめくフラッター現象が起こります。
この振動が刺激となってホルモンの分泌を促進させ、脂肪が分解するといわれます。これを30分間行います。肥満、糖尿病、便秘などに良いと言われています。
渦流浴の水温は37.8Cを超えなくても蒸気浴の48.9C,相対湿度95%よりも熱く感じ、蒸気浴はサウナ(76.7〜87.8C,相対湿度5〜25%)より熱く感じます。
このことは蒸気が汗の蒸発を抑制するのを助長することと、湿った空気は乾いた空気より多くの熱を貯留することによります。
その結果、深部体温は渦流浴、蒸気浴、サウナの順に上昇しやすいです。とりわけ全身渦流浴の場合は温度設定を誤ると深刻な状況に陥る場合があります。たとえばもし深部温度が40Cに達すると高体温持続の上昇で心筋、脳、神経系を傷害する場合もあります。
水温は上下肢の場合、37〜38C,、全身浴の場合は35〜3Cまでとします。温度は気泡浴と異なり一定に保つことができます。治療時間は15分程度とします。
適応は末梢循環の改善をはじめ,骨折後遺症、打撲、捻挫、,腰痛などです。また筋緊張の緩和、関節のこわばりの低下が起こるので渦流浴施行後の運動療法は効果を高めます。
動水圧の影響で水の奔流が脂肪を揺らします。(フラッター現象ですね)この運動は脂肪細胞の燃焼を促進する効果があると言われています。これにより肥満が直接解消することはありませんが、脂肪を燃やしやすくなるのでエクササイズの前処置としては非常に有効です。渦流浴は静水圧と動水圧が両方含まれるので浮腫の改善にも有効です。
温度は高温ではないので副交感神経を優位にしますので除痛効果もあります。この物理療法は部分浴があるので圧注法とバブルバスを足したような効果です。泡というよりも水流で治療しています。
個人的には泡でも水流でも同じような効果なので使いやすいほうや患者が気持ちいと思う方を選択すればよいと思います。