一般向け 接遇 雑記・雑談

言葉使いが自分の成長を決める(接遇シリーズ③)

人の性質は『振る舞い』から始まる

『気高い人は初めから気高い人として産まれてくるわけじゃない気高く振舞うから気高い人になるのだ』

『勇気がある人は初めから勇気があるのではなく勇気があるように振る舞うから勇気ある人になるのだ』

エクリチュールという言葉がありロラン・バルトというフランス哲学者がその内容について議論しているのですが、小説などでその世界観を作り出すには背景や役者などの設定以外にも文体があります。

固い文体ならば固い世界観を作ります。

フランス哲学者アランバルト Wikipediaより引用

ここで『私』『俺』『僕』など一人称をどれを選ぶかでもそのキャラクターの性格を読者は想像してしまいます(;^ω^)

この様に人はその振る舞いからその性質を感じ取ります。

 

振る舞いは思考から始まり、思考は次に言葉に変わり、言葉は行動に、行動は習慣に、習慣は性格に、性格は運命に変わる。

という言葉があります。

Be careful of your thoughts, for your thoughts become your words.

Be careful of your words, for your words become your deeds.

Be careful of your deeds, for your deeds become your habits.

Be careful of your habits; for your habits become your character.

Be careful of your character, for your character becomes your destiny.

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

- マザー・テレサ

自分が変われば相手も変わる

心が変われば態度も変わる

態度が変われば行動も変わる

行動が変われば習慣も変わる

習慣が変われば人格が変わる

人格が変われば運命が変わる

運命が変われば人生が変わる 

-ヒンズー教-リグヴェーダより

と、まぁこのように世界中で昔から言われている内容のようです。

でもこれは本当にそうなんだろうなと思います。

 

まず言葉使い一つで相手の印象は変わります。

『僕』というとどんな印象が出ますか?

幼いイメージや、可愛い感じ、清潔感のあるイメージや誠実なイメージが湧かないですか?

『俺』はどうでしょうか?

強いイメージや、粗暴なイメージ、偉そうなイメージ、カッコいいイメージが湧きますよね?

『私』はどうでしょうか?

大人っぽいイメージじゃないでしょうか?ビジネスマンやエリート感が出ませんか?

『儂』はどうですか?

年寄りなイメージ、渋いイメージ、含蓄がありそうなイメージがありますよね?

『吾輩』はどうでしょう?

大正時代の印象、男性的で固くて強そうな印象者ないですか?漫画の四天王や将軍のイメージですかね?

デーモン小暮さんのイメージもあります(笑)

『拙』はどうでしょう?

拙者とか拙僧とか自分は未熟だとへりくだった言葉使いなので昔の労働者階級の侍や僧侶のイメージですかね

『自分』はどうでしょう?

関西圏の印象が僕にはありますが、他にも軍人的な印象を受けます。

固くて真面目な印象ですね。

1人称ひとつとっても沢山ありますね。

おそらくもっともっと沢山あるのでしょうが、こんな風に相手に与える印象は違いますよね?

同時に自分自身に対する印象も変わると思います。

毎日『僕』として話していれば『僕』の性格に『俺』なら『俺』の性格になっていきます。

性格は、生まれつきの部分と、その後の環境によって作られる部分があります。

性格の中の生まれつきの部分を「気質」といいます。そのうえに環境によって「狭義の性格」ができあがります。

その上に、さらにその社会によって作られた「社会的性格」があり、もっと上に、現在の役割に応じた「役割性格」があります。

この社会的性格や役割性格というのは分かりにくいものがあります。

社会的性格とは

では社会的性格となんなのでしょうか?

さてここで質問です。

 

男と女はどちらが泣き虫でしょうか? 

女性でしょうか。そうだとしたら、それは現代の日本社会が作り上げた社会的性格の一つかもしれません。

ホルモンバランスや男女の脳の器質的なものに由来する場合は気質になるかもしれません。

 

日本でも、平安時代の貴族の男達は良く涙を流したそうです。

自然や芸術に感動して、はらはらと涙を流すのです。

そういう場面で涙が出ないと、風流さの分からないダメな男にされてしまうそうです。

一方、女性ははよく気絶しました。西洋の中世のお姫さまも同じですね。

ちょっとびっくりすると、キャーっと言ってひっくり返るわけです。

そうしないと女らしくないというわけです。

 

日本では、後に武士道が広まって、男は泣くべきではないという社会ができあがりました。

泣くことに関する男女の違いは、社会が作ったといえるでしょう。

社会によって作られ、その社会の中の多くの人が持っている行動パターンを、社会的性格と言います。

同じ人間でも日本にいれば日本人らしく、アメリカで生活すればアメリカ人のように行動するのです。

性格のこの部分は、時代や国が変わり社会が変われば、変化しやすい部分です。

 

日本人の武士道精神こそがまさにこの社会的性格や次に説明する役割性格を表していると思います。

ではなぜそう言えるのでしょうか?

日本人の気質の部分なのですが、日本人は世界でもトップクラスに臆病、不安症、神経質が多い人種だと言われています。

それにはセロトニントランスポーター遺伝子という気質に大きく関与する遺伝子が大きく関与しています。

この遺伝子は『不安遺伝子』『恐怖遺伝子』などと呼ばれたりもします。

 

セロトニントランスポーターの役割

セロトニンというのは脳内の神経伝達物質として利用されているのですが神経伝達物質であるセロトニンは、神経終末(前シナプス)から放出され、後シナプスの受容体に結合し、情報伝達を行います。

セロトニンの役割はノルアドレナリン(ストレス物質)の作用を抑えて不安を鎮めることやドーパミン(快楽物質)の作用を抑えて満足感を与えることです。

そのため精神の安定に寄与します。

また、深い眠りにも関連します。

セロトニントランスポーター遺伝子とは

放出されたセロトニンは分解されますが、一部は前シナプスに回収され、リサイクルされます。

このセロトニンを再回収するのがセロトニントランスポーターです。

セロトニントランスポーターの少ない人はセロトニン不足に陥りやすく、鬱や、満足感を得られず不安行動をとるといった症状に結び付く傾向があります。

この遺伝子タイプには遺伝子量の多いL型(ロング)と遺伝子量の少ないS型(ショート)の2種類があります。L型はセロトニンを多く作り、S型は少なく作ります。

遺伝子の型はSS型、SL型、LL型の3種類の組み合わせです。

セロトニントランスポーター遺伝子にL型を持つ人の割合は人種により異なり、アフリカ人>アメリカ人>アジア人です。

特に日本人ではSS型が最も多く、全体の68.2%.を占めます。アメリカ人のSS全体の体の体の18.8%です。

SS型とうつ病の相関もあるという研究もあります。

話は戻りますが、ではなぜ日本人特有の臆病さやネガティブさの原因となるSS型のトランスポーター遺伝子を多く持つ日本人から勇猛果敢な侍が生まれたのでしょうか?

『葉隠れ』

という武士道の鏡というべき心構えを説いた本があり、侍はそういう風習の中で侍とはかくあるべきであるという風に育ちます。

まさに社会的性格、もしくは侍という役割性格になるのかもしれませんね。

これが社会的性格の説明となります。

役割性格と?

女子高生は女子高生らしく振舞います。

そして、その子達の中で、大学に行った子達は女子学生らしく、就職した人は社会人らしくなります。

結婚すれば主婦らしくなりますし、子供が産まれれば母親らしくなります。

教師や警察、医師や理学療法士も同様にそれらしく振舞おうとします。

このように、私たちは、人生の中で、いろいろな「役割」をこなします。

同じ人でも、母親の前では子供として振る舞い、後輩の前では先輩らしく振る舞います。

このような役割に応じた振る舞いや考え方を「役割性格」といいます。

役割性格は、その役割が変われば、それに応じて変化していきます。

つまり、患者さんや利用者さんをどういう風に理学療法士として関係を築くかということでその振る舞いは変わります。

年長者を敬う気持ちや、職業人として熱心に取り組む人は敬意を払って対応するでしょう。

また、PTが治療者として格上だと思っている人は先生の様に振舞うでしょう。

これらの振る舞いが自分たちの人格を形成していくのです。

性格(キャラクター)は、持続性・一貫性のある行動様式で、どちらかというと先天的です。

人格(パーソナリティ)は、持続性・一貫性のある社会的役割で、どちらかというと後天的です。

つまり我々の振る舞いは気質に加え普段からの社会的、役割的性格により『人格』として形成されるのです。

本当に振る舞いが人格を作るの?

ここまで長~いお話を読んでくれて嬉しいです。

もう少しなので最後まで読んで下さい(;^ω^)

 

話を大筋に戻して、『本当に振る舞いは人格に影響を与えるの?』のお話をしましょう。

 

スタンフォード監獄実験(スタンフォードかんごくじっけん、英語: Stanford prison experiment)というアメリカのスタンフォード大学で行われた、心理学の実験があります。

1971年8月14日から1971年8月20日まで、アメリカ・スタンフォード大学心理学部で、心理学者フィリップ・ジンバルドー (Philip Zimbardo) の指導の下に、刑務所を舞台にして、普通の人が特殊な肩書きや地位を与えられると、その役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとした実験が行われた。

模型の刑務所(実験監獄)はスタンフォード大学地下実験室を改造したもので、実験期間は2週間の予定だった。

新聞広告などで集めた普通の大学生などの70人から選ばれた心身ともに健康な21人の被験者の内、11人を看守役に、10人を受刑者役にグループ分けし、それぞれの役割を実際の刑務所に近い設備を作って演じさせた。その結果、時間が経つに連れ、看守役の被験者はより看守らしく、受刑者役の被験者はより受刑者らしい行動をとるようになるということが証明された、とジンバルドーは主張した。

近年、スタンフォード大学より公開された実験の録音テープにより、「刑務所長役」から「看守役」へ積極的な指示・指導が為されていたとの指摘がなされ、実験結果そのものの信頼性が問われる事態となっている。また、被験者の一人が発狂した振りをしたことを認めた。 Wikipediaより引用

 

ここまではwikiを読んでみると分かるのですが最近は疑義的に解釈され、あの実験の真実はどこまでが本当だったのか疑問が残るようです。

ただし、実験にはいくつかの仕掛け人がいたかもしれませんが、精神的変化は実際にあったことには違いありません。

 

例えば、位(くらい)が人を作るという言葉もありますし、実際に少しやってみて欲しいのですが、相手や自分をなんて呼ぶのかで関係性が変わるかを考えてみて下さい。

例えば、恋人が出来てしばらくの間は丁寧語で話したりして距離感が少しあると相手を大事にすると思います。

しかし、お互いがタメ口になり呼び捨てになると年齢差があろうと、対等な立場になり、慣れてくると次第にボロが出てきます。

これは良い悪いの話ではなくて、言葉使いで関係性が変わる分かりやすい例です。

なので、PTとしての成長も尊大な言葉使いをしていれば、偉そうになり勉強を怠るし、仕事に対する熱意も冷めるかもしれません。

逆に言葉使いを意識すれば、謙虚な気持ちでいられるかもしれません。

そうすればより勉強したときに素直に受け入れる余地ができます。

 

どのような振る舞いがより自身の成長に繋がるかが大切ですね(;^ω^)

接遇に関連した記事は①こちら②こちらをどうぞ

 

まとめ

・人間の生まれ持った性格は『気質』

・社会的、役割的性格により後天的に『人格』が形成される

・つまりは教育や習慣、文化は人格に大きく影響される

・振る舞いは人格に影響を与える

・PTとしての成長にはそれにふさわしい振る舞いをする

最後に

最後まで読んで下さりありがとうございます。

長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます(;^ω^)

振る舞いが人格に影響を与える。

言葉使いが最後は人生を変えるなんて中々に素敵だと思いませんか?

いきなり人生を変えるのは難しくても言葉使いや態度は変えられるものです(*^^)v

次の記事でまたお会いしましょう。

 

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